光で起きれるという「光目覚まし時計」ですが、種類があるのはご存知ですか?
「光目覚まし時計」の価格の違いは種類の違いであり、期待される効果も異なります。
光目覚まし時計の種類よる価格・効果の違い、目的にあった光目覚まし時計の選び方を徹底比較し、解説します。
光目覚まし時計とは何か?
「光目覚まし時計」とは何かについて明確な定義はありません。
「目覚まし時計」というと、通常は起きたい時間に「音」がなります。
一方、「光目覚まし時計」は、セットした時間に「光」がつきます。
音はONOFFができるので、音と光を使う事も、光だけを使うこともできます。
しかし、この「光」というのが曲者で、効果のない「光目覚まし時計」が氾濫する理由でもあります。
そもそも、「光」で何故、起きれるのでしょうか?
光目覚まし時計は何故、”目覚め”に効果があるのか?
人間は太古から日の出とともに起き、太陽の光を浴びるのが習慣でした。このDNAは現代も引き継がれています。
では、何故、「朝起きれない」「目覚めが悪い」のか?
原因は様々ですが、睡眠に関する研究により以下のことが判明しています。
●朝に2,500ルクス以上の明るい光を目(の網膜)に浴びると、目覚めを促す脳内物質「セロトニン」が分泌される。
●朝に強い光を浴びると体内時計(サーカディアンリズム・概日リズム)がリセットされる。
●朝に分泌された「セロトニン」は、夜に睡眠を促すホルモン「メラトニン」に変化し、心地よい眠気を誘いう。
体内時計(サーカディアンリズム・概日リズム)とは?
体内時計のことをサーカディアンリズム(概日リズム)と呼びますが、サーカディアンは、ラテン語で「おおよそ1日」という意味です。
朝起きて夜寝る、このリズムは24時間で繰り返されます。
これは人間の体に体内時計があるからです。
※体内時計は個人差があり24時間~25時間です。
睡眠と覚醒のサイクルだけでなく、ホルモン分泌、血圧や体温調節など人間の生理機能のほとんどは体内時計を持ち、24時間~25時間のリズムで変動しています。
1日は24時間ですが、体内時計が24時間~25時間のリズムだとズレが生じます。
その結果、「朝起きれない」、「夜眠れない」といった症状が起きる可能性があります。
朝に強い光を浴びると、体内時計がリセットされます。
そもそも、光目覚まし時計の効果の根拠は「光療法」にあります。
「光療法」とは?
光療法(ひかりりょうほう)とは、一部の睡眠障害やうつ病に有効とされる治療法の一種である。
Wikipedia~光療法
「光療法」は主に以下の症状に効果があると考えられています。
●睡眠障害
●冬季うつ病 (季節性情動障害)
●うつ病(非季節性情動障害)
●新生児黄疸
睡眠障害
眠気を司るメラトニンの分泌タイミングを光を用いてコントロールすることで、外界環境と睡眠相とのずれを補正することを主軸とした治療法である。
Wikipedia~光療法
冬季うつ病 (季節性情動障害)
冬季うつ病は、セロトニンの欠乏による受容体の感受性が亢進することが原因であるとする「セロトニン仮説」があり、高照度の光を長時間浴びることでこれが改善されることによるものと考えられている
Wikipedia~光療法
うつ病(非季節性情動障害)
光療法は非季節性のうつ病の治療にも有効であることが実証された。
Wikipedia~光療法
新生児黄疸
光療法は、光照射によりビリルビンを異性化させたり新生児が尿や便を介して排泄できるような化合物に変換させたりすることによって新生児黄疸の治療に使用されている。
Wikipedia~光療法
効果的な照度と時間
照度と時間については諸説があり、医療機関によって指示される照度と時間は異なりますが、2,500ルクス以上で有効との意見が多い。
しかし、実際の治療では、5,000-10,000ルクス程度の照度を30分-1時間程度照射するケースが多い。
光療法の副作用は?
理論的には禁忌はないようです。
※禁忌(きんき)とは、医学的には、投与してはいけない薬や処置のことです。
光目覚まし時計の種類と選び方
さて、光目覚まし時計の効果、光療法について見てきました。
本題の光目覚まし時計の種類に入ります。
「光目覚まし時計」は以下の種類があります。
①間接照明の「光目覚まし時計」
②本来の「光目覚まし時計」
③高照度光療法に使用する高照度照明器具「光目覚まし時計」
照度の低い光がつくだけの「光目覚まし時計」
セットした時間に光は付くが照度は低い(20㎝程離れたとこで2500ルクス未満)。
安い「光目覚まし時計」はこれです。
体内時計をリセットする力はありません。
目覚まし音だけでなく明るいと起きれると言う方にオススメ。
※安い「光目覚まし時計」については別記事参照
本来の「光目覚まし時計」
20㎝程離れたとこで2500ルクスで光が目に優しい本来の「光目覚まし時計」。
体内時計がずれており、「朝起きれない」「夜眠れない」といった方におすすめです。
▶おすすめの「光目覚まし時計」については⇒光目覚まし時計のおすすめは?効果・選び方・使い方・おすすめは?
高照度光療法に使用する高照度照明器具「光目覚まし時計」
照度5,000-10,000ルクス程度で光療法に用いられる高照度照明器具。
前述の睡眠障害等、症状が重い方に光療法として用います。
医療器具であり、照度が高い分、価格が一番、高いのも特徴です。
※高照度照明器具「光目覚まし時計」は別記事参照
光目覚まし時計で「効果がない」理由
光目覚まし時計は上記のように種類があります。
目的にあった光目覚まし時計を選ばないと「効果がない」ということになりかねません。
しかし、目的にあった光目覚まし時計を選んでも「効果がない」場合もあります。
それは、光目覚まし時計を正しい使い方で使っていないケースです。
光目覚まし時計を正しく使う
光目覚まし時計は正しく使わないと効果は期待できません。
ポイントは2点です。
・顔から20㎝程度離れたとこから顔に光を当てる
※照度は2500ルクス以上
・朝目が覚めたら、5~30分、光を当てる
▶光目覚まし時計の効果的な使い方については⇒光目覚まし時計の効果的な使い方
効果が出るまで時間がかかる場合も…
さらに、光目覚まし時計を使ってもすぐ効果が出るとは限りません。
1日で効果が出る方が出る一方、時間がかかる人もいます。
これは何でもそうです。
例えば、病気の治療で1回で治るということはありえないでしょう。
それと同じく、体内時計のリセットはすぐ出来る人もいれば、時間がかかる人もいます。
「朝起きれない」原因によって効果がない場合も…
そもそも、「朝起きれない」原因は様々なものがあります。
光目覚まし時計は体内時計をリセットすることで朝の目覚めを良くするものなので、体内時計のズレ以外に原因がある場合は、効果は期待できないと言えます。
いずれにしても、目的にあった光目覚まし時計を選び、正しい使い方をすることが先決です。
それでも、3ヵ月続けても効果がない場合は、体内時計以外に原因がある可能性が大です。
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