電力自由化で自分で電力会社を選べるようになりました。
そこで現れたのが自分にとって電気料金が一番安い電力会社から順番に並べてくれる電力比較サイトです。
しかし、メリットばかりではありません。デメリットもあるのはご存知ですか?
電力比較サイトの結果を鵜呑みすると損をする可能性があります。
電力比較サイト6社を比較して分かった電力会社比較サイトのデメリットとオススメできない電力会社比較サイトをご紹介します。

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電力比較サイトの誤解

本来ならば我々が電力会社一社ずつ情報を入力し、シミュレーションして比較しなければどこが一番安いかは分かりません。
その点、電力比較サイトは手間がかからず便利です。
しかし、こんな誤解はしていませんか?

電力比較サイトは全ての電力会社を比較している

全ての電力会社を比較している電力比較サイトはないと言って良いと思います。

では、どれくらいの電力会社を比較しているのか?
ここで問題なのは、電気料金が安いとネットで評判の電力会社の「あしたでんき」「Looopでんき」「親指でんき」「楽天でんき」等が比較対象に含まれているかどうか。

ところが、電力比較サイトによっては、これらの全て、あるいは一部が比較対象に含まれていない場合があります。

これでは電力比較サイトとは言えません。

電力自由化

シミュレーション結果の1位が断然おトク!

電力比較のランキングでは、電気料金が安くなる順に並んでいるのが普通です。

そこで1位の電力会社が一番おトクと考えるのは間違いです。

確かに電気料金は安いかもしれませんが、契約期間の縛り(大抵2年)があり、途中で解約すると解約違約金を請求される会社もあります。

解約違約金が0円で電気料金がもっと安い所は他にあります。

また、電力比較サイト独自の割引が加算されて、安く表示されていることもあります。

電力比較サイト独自の割引は加味すべきではありません。

シミュレーション結果は正しい

まず電気使用量を1ヶ月分入力しただけでは現実に近い推定値は出ません。
1年間入力できる電力比較サイトを選びましょう。

そして1年間分入力したとしても、各電力会社のサイトでデータを入力したシミュレーションと結果が異なることが多々あります。

又、電力会社比較サイトのみならず、個別電力会社のシミュレーション結果には割引は反映されてていないので、深夜電力のなどの割引がある場合はこれを加味して考えないと、シミュレーション結果のみを鵜呑みして乗り換えをすると損する場合があります。

お気を付けください。

では次に、実際に電力比較サイトでシミュレーションした結果と、各電力比較サイトの問題点(デメリット)をご紹介します。

電力比較サイト「エネチェンジ」

「エネチェンジ」は、電気使用量が1ヶ月しか入力できません。
これでは現実に近い推定値を出す事は難しいです。

エネチェンジ

ちなみに月を変えて何ヶ月か入力してみたら、月を変えるごとにシミュレーション結果が異なります。

我が家の電気使用量は年間で1,000kWhの違いがあるにはビックリしました。

しかし、よくよく見たら、1年分の電気使用量を月ごとにも入力できました。

シミュレーション

「エネチェンジ」入力

結果は以下の通りです。

シミュレーション結果

「エネチェンジ」1位

1位 自然電力(SE30):18,548円
2位 HTBエナジー(関西たこやきプラン):17,508円
3位 Looopでんき(おうちプラン):17,467円
4位 親指でんき(いいねプランA):17,467円
5位 サンクスでんき(ここまでプラン):16,538円

なぜか、「Looopでんき」より0.5kWh安い「あしたでんき」はランキングに入っていません。

電力比較サイト「新電力比較サイト」

1ヶ月と1年分の電気使用量が入力可能です。

1ヶ月だけだの入力だと月ごとに結果が変わります。
※これは前述の「エネチェンジ」と同じです。

1年分の電気使用量を入力するのが得策です。

シミュレーション

新電力比較サイトシミュレーション

但し、料金プランの内訳は出ません。

我が家では以下の結果になりました。

シミュレーション結果

新電力比較サイト1位

1位 ピタでん:20,918円
2位 あした電気:19,370円
3位 楽天でんきプランS:17,275円
4位 HTBエナジー:17,224円
5位 Looopでんき おうちプラン:16,684円
6位 親指でんき:16,684円

電力比較サイト「価格.com」

電気使用量は1ヶ月しか入力できません。
1ヶ月だけでは正確にシミュレーションできない可能性が高いです。

シミュレーション

価格.comシミュレーション

ちなみにシミュレーション結果は以下になりました。

シミュレーション結果

価格.com1位

1位 ピタでん:20,981円
2位 あした電気:19,369円
3位 HTBエナジー:17,225円
4位 親指でんき いいねプランA:16,684円
5位 Looopでんき おうちプラン(関西エリア):16,684円

「新電力比較サイト」では1年分、「価格.com」では1ヶ月分しか入力していないにもかかわらず、シミュレーション結果が「新電力比較サイト」と順位も安くなる電気料金もよく似ています。

ちょっと不思議な感じです。

但し、1点違いがあります。
それは、「価格.com」には「楽天でんき」が入っていないということです。

電力比較サイト「電気チョイス」

「電気チョイス」は電力比較サイトとなっていますが、趣きは他サイトと全く異なります。

名前、住所、電話番号等を入力すると電話がかかってきて口頭で「あなたのエリアでは『●●でんき』が一番安いです。」と伝えられるだけ。
※電話はその後、頻繁にかかってきます。

電気チョイスプロにお任せ

私が個別にシミュレーションしたところ、「電気チョイス」の言い分は間違いだったことが判明。

信用おけません。

また、「電気チョイス」から「Looopでんき」に契約すると、30,000円のキャッシュバックがあると宣伝するサイトもありますが、嘘っぱちです。

もともと、「Looopでんき」はキャッシュバックの対象外であり、他の電力会社と契約してももらえるのは3,000円のみ。

30,000円のキャッシュバックを受けるには「Looopでんき」以外の新電力会社と契約+指定サービスの申込が必要です。

騙されないでください。
電気チョイスの評判・口コミは本当?メリット・デメリットは?

電力比較サイト「エネズバ」

シミュレーションの最初の画面は郵便番号だけ。

エネズバ

これだけ?と疑問に思いながら、「電気料金シミュレーション」をクリックすると次の入力画面が開きます。

本来、一度に済むものをわざわざ、次のページを開かないと入力できません。

さらに関西電力は東京電力と違いアンペアごとの契約ではないのだが、「契約容量を選択しえください」と出ます。

いちいち面倒なんですね。

結果は以下の通りです。

エネズバ1位

1位 東京電力:27,273円
2位 Looopでんき おうちプラン(関西エリア):23,369円
3位 洸陽電機 きほんプラン(関西電力エリア):16,111円

この結果には目を疑いました。
東京電力が1位ってありえないでしょう。

東京電力のグループ会社で東京電力よりも従量料金が安い「あしたでんき」の名前がありません。

さらに同様に従量料金が安い「親指でんき」も「楽天でんき」もありません。

「エネズバ」はおすすめ出来ません。

電力比較サイト「でんきの比較インズウェブ」

「でんきの比較インズウェブ」は入力が多すぎます。
通常は以下の項目だけです。

「でんきの比較インズウェブ」現在の電気使用量

しかし、それ以外に「お客様の情報」も細かく入力する必要があります。

「でんきの比較インズウェブ」お客様情報

他の電力会社や電力比較サイトでここまで入力を求められることはないし、シミュレーションの段階で不必要です。

後々、個人情報を転用されそうで怖いです。
というわけで、シミュレーションは遠慮します。

電力比較サイトのシミュレーション結果まとめ

6サイトの電力比較サイトを見てきました。
6サイトの内WEB上でシミュレーションが出来ない「電力チョイス」及び、細かい個人情報の入力が必要な「でんきの比較インズウェブ」はシミュレーションまで至らなかったので、まとめるのは4サイトになります。

[注]以下の表の①~はランキング順位、その横の金額は削減できる電気料金の推定値です。

電力比較サイトのシミュレーション結果一覧表

エネチェンジ新電力比較サイト価格.comエネズバ
自然電力(SE30)①18,548円
HTBエナジー(関西たこやきプラン)②17,508円④17,224円③17,225円
Looopでんき(おうちプラン)③17,467円⑤16,684円⑤16,684円②23,369円
親指でんき(いいねプランA)④17,467円⑥16,684円④16,684円×
サンクスでんき(ここまでプラン)⑤16,538円
ピタでん①20,918円①20,981円
あしたでんき×②19,370円②19,369円×
楽天でんきプランS×③17,275円××
東京電力①東京電力
洸陽電機 きほんプラン(関西電力エリア)③16,111円

電力比較サイトの問題点

上記の一覧表から見える電力比較サイトの問題点(デメリット)を見ていきましょう。

上位電力会社はサイトのよってバラバラ

上記の表をご覧いただければ分かりますが、電力比較サイトによって1位~3位にランキングしている電力サイトは全く別です。
※「新電力サイト」と「価格.com」は入力データが異なるにも関わず、結果は殆ど同じでした。理由は不明です。

ここから言えることは「電力比較サイトは当てにならない」という事です。

電気が安い電力会社が網羅されていない

電力会社を比較する場合、電気が安い「Looopでんき」「親指でんき」「あしたでんき」「楽天でんき」が対象に含まれていないのは致命的です。

上記表で「×」がそうです。

4サイトの内、何とサイトが該当します。

純粋に電気料金だけを比較した順位ではない

例えば、「エネチェンジ」で1位の「自然電力(SE30)」の削減額が18,548円となっていますが、この中には「エネチェンジ」独自のキャンペーン割引9,000円が合算されています。

キャンペーン割引は初年度だけですし、条件がある場合もありますので、この価格の出し方には問題があります。

ランキングするなら、純粋に電気料金の削減額で評価すべきです。

基本料金0円・解約違約金0円とは限らない

ネットで口コミ・評判が高い電力会社は基本料金0円・解約違約金(手数料)0円です。
しかし、電力会社全てが基本料金0円・解約違約金0円なのではありません。

上記表の中では、「ピタでん」「HTBエナジー」などは契約期間に2年縛りがあり、途中解約すると、解約違約金が必要になります。

電力比較サイトのランキングでは見落としがちな情報です。

おすすめ出来ない電力比較サイト

私が実際にシミュレーションして内容を吟味した結果、オススメできないと考えた電力比較サイトは以下のサイトです。

・「エネチェンジ」
・「価格.com」
・「電気チョイス」
・「エネズバ」
・「でんきの比較インズウェブ」

以上の新電力会社がオススメできないのは以下の理由によります。

「エネチェンジ」

電気資料量は1ヶ月しか入力できないのかと思いきや1年分も入力可能です。
但し、分かりにくいです。

さらに「Looopでんき」より0.5kWh安い「あしたでんき」はランキングに入っていません。

「価格.com」

「エネチェンジ」と同じく、電気使用量が1ヶ月しか入力できません。
但し、1年分入力した「新電力比較サイト」と結果は殆ど変わりません。
不思議です。

さらに電気料金が安い「楽天でんき」がランクインしていなのが不自然です。

「電気チョイス」

「電気チョイス」は電力比較サイトとは呼べません。
情報を入力すると電話がかかってきて口頭で「あなたのエリアでは●●が一番安い」と伝えるだけ。
内容も信用おけません。

「エネズバ」

まず、使い勝手が悪いです。
さらに、東京電力より電気料金が安い新電力会社はいくらでもあるのに東京電力が一位です。

従量料金が安い「親指でんき」も「楽天でんき」もランキングされていません。

「でんきの比較インズウェブ」

シミュレーションの段階で、細かい個人情報を入力する必要があります。
他の新電力会社や電力比較サイトではない項目で、シミュレーションの段階では不要な情報です。

個人情報を他の事に転用されそうで不安になります。

「電力比較サイト」まとめ

以上、「電力比較サイト」6サイトのシミュレーションを実際に行った結果をみてきました。
「電力比較サイト」のデメリットをまとめます。

「電力比較サイト」が比較するのは一部の電力会社だけ

「電力比較サイト」と言いながら、ネットで人気の新電力会社が比較対象に入っていないサイトがあることがお分かりいただけたでしょうか?

これでは「電力比較サイト」とは言えません。

シミュレーション結果が正確でない

また、電気資料量の入力が1ヶ月だけでは現実に近い推定値は出ません。
1ヶ月の電気使用量だけでシミュレーションする電力比較サイトでは月を替えるだけで結果も大きく異なってきます。

12カ月の電力使用量が入力できないと話になりません。

電力会社の電気料金以外のメリットが見えない

例えば、「楽天でんき」は楽天ユーザーにはメリットが大きいです。
しかし、「電力比較サイト」からそれを読み解くことは出来ません。

結論

最終的な結論としては、多少面倒ですが、個別に電力会社ごとにシミュレーションすることをオススメします。

なぜなら、以上の理由からオススメできる電力比較サイトがないからです。

「あしたでんき」「Looopでんき」「楽天でんき」「親指でんき」等の新電力会社でシミュレーションを行い、自分で判断することが得策だと考えます。

「あしたでんき」「Looopでんき」「楽天でんき」「親指でんき」の比較記事は後日、投稿の予定です。