東名高速で起きた「煽り運転」による事故以降、ドライブレコーダーの販売数が急増しています。
ドライブレコーダーとは何でしょうか?
ドラレコの役割は?仕組みは?
市販されているドライブレコーダーの種類と違いは?
ドラレコを選ぶ時に抑えたいスペック(性能や機能)等を分かりやすく解説します。

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ドライブレコーダーとは何か?

ドライブレコーダー

ドライブレコーダーとは、運転中の映像・音声などを記録する車載装置(カメラ)のこと。
ドライブレコーダーは略して「ドラレコ」とも呼ばれます。

車の前後(フロントガラス・後部)に取り付け、車の前方・後方や車内の映像を録画・保存します。

ドライブレコーダーの役割

ドライブレコーダーの役割と導入するメリットには以下のものがあります。

●交通事故の証拠
●煽り運転対策
●駐車中(駐車場)での防犯対策

交通事故の証拠

ドライブレコーダーが元々多く導入されていたのは、タクシー業界や運送業界です。

事故に合った時にどちらに過失責任があるのかを判断する材料にドライブレコーダーは威力を発揮します。

交通事故の場合、双方の主張に食い違いが起こることが多いです。
「信号は赤だったのか、青だったのか」、「どちらが交通違反をしているのか」が映像に残っているので一目瞭然です。

自分が当事者でなくても事故の瞬間に近くを通った車のドライブレコーダーの映像が証拠になる場合もあります。
※2017年6月に東名高速で起きた「煽り運転」による事故の真実を警察は集めたドライブレコーダーの映像から突き止めたそうです。

交通事故には、故意に車に衝突して慰謝料を請求してくるような、いわゆる「当たり屋」も存在します。

ドライブレコーダーによって、真実が明らかになります。

煽り運転対策

東名高速で起きた事故以来、ドライブレコーダーを付ける人が急増しました。

その中には、後部にドライブレコーダー(カメラ)を設置することで、明らかに煽り運転が減ったという口コミも多いです。

ドライブレコーダーをつけることで煽り運転対策になります。
勿論、事故になった場合も証拠になります。

駐車中(駐車場)での防犯対策

車を止めていたら、いつのまにか車体に傷がついていた、車上荒らしにあった、という方はいませんか?

駐車監視機能付きのドライブレコーダーを付けると、車を駐車中、あるいは駐車場で当て逃げ、盗難、いたずら等の証拠を残すことが可能です。

また、車上荒らしをしようとしている人が車内に設置されたドライブレコーダーのカメラを目にする事で、車上荒らしを思いとどまる可能性もありませす。

ドライブレコーダーは駐車中(駐車場)での防犯対策になる可能性があります。

危険運転の抑止力

ドライブレコーダーの効果は第三者に対するモノだけはありません。
逆の立場で、自分が危険運転をした場合、加害者になる可能性があります。

ドライブレコーダーには運転中の映像や音声が記録されています。
それが自分に不利に働く場合もあります。

だから、「安全運転を心掛ける」ことに意識が行きます。
ドライブレコーダーをつけることで、危険運転の抑止力になります。

ドライブレコーダーの仕組み

ドライブレコーダーは基本的に以下の4種類から成り立っています。

●車載カメラ
●SDカード
●配線
●電源

ドライブレコーダーのカメラ(車載カメラ)で映像を撮り、SDカードに記録します。

電源は、シガーソケット又はヒューズボックスから取ります。

シガーソケットの場合は簡単ですが、ヒューズボックスから電源を取る場合は、慣れてないと難しいので、オートバックスやイエローハット、またはディーラーで付けてもうらことになりますが、費用(工賃)がかかります。
※ドライブレコーダーの取り付け方については別記事参照

ドライブレコーダーのスペック

ドライブレコーダーは複数のメーカーから複数の機種が販売されています。
どんなスペック(性能や機能)があるのでしょうか?
何が違うのでしょうか?

ドライブレコーダーの役割はいざという時(事故)に、いかに鮮明にその映像を録画するかにあります。

しかし、商品によって、そのスペック等に違いがあります。
ドライブレコーダーを選ぶ時に抑えておきたい性能や機能には以下のものがあります。

●カメラの台数
●ドライブレコーダー本体の大きさ
●画質
●撮影角度
●HDR・WDR
●LED信号
●動作温度範囲
●GPSセンサー
●ノイズ対策
●Gセンサー
●車内の音声録画
●常時録画
●明るさ
●駐車場監視機能
●SDカード
●再生方法
●取付方法
●安全運転支援機能
●メーカー
●価格

カメラの台数

ドライブレコーダーのカメラの台数は以前は1台(車のフロントガラス)が基本でした。

その後、煽り運転対策として、車の後ろにも付ける人が増えたことから、メーカーは前後の2台のカメラ(デュアルタイプ)をセット販売することが多くなりました。

とは言え、1台のみの販売もあります。

勿論、「フロントに付けるだけで良い」という方もいますし、「既にドライブレコーダーをフロントに付けているが、後ろにもカメラを付けたい」という時に、一台のドライブレコーダーを追加で購入される方もいます。

ドライブレコーダーの前後カメラタイプを欲しい方は、「セットだと思って購入したが、後ろのカメラが付いてなかった」といった事がないよう、前後カメラタイプのドラレコなのかを購入前にチェックしましょう。

ドライブレコーダー本体の大きさ

ドライブレコーダーはフロントガラス等に付けるので、大きさは小さい方が視野の邪魔になりません

バックミラーに隠れるくらいの大きさだと、全く邪魔になりませんね。
※パックミラー型のドライブレコーダーもあります。

但し、車載カメラとモニターが一体型のドライブレコーダーの場合、ドライブレコーダーが小さすぎると、「動画が見にくい」、あるいは、「モニターはなく、PCのみでしか再生できない」といった機種もあるので注意が必要です。

PCのみでしか再生できないドライブレコーダーは何かと不便なので、やはり、その場で再生できるものを選ぶのが無難です。

画質

ドライブレコーダーのカメラにおいて画質は重要です。
画質が粗いと、相手の車のナンバープレート等が鮮明に録画されません。
画質は画素数が大きいほど、綺麗に撮影できます。

ドライブレコーダーの画質では最低200万画素は欲しいですね。

撮影角度

ドライブレコーダーのカメラの撮影角度には、対角・水平・垂直の3種類があります。

カメラの視野角は、大きければ大きいほど、死角がなくなり、広範囲の撮影ができます。
※360度のドライブレコーダーもあります。

ドライブレコーダーを選ぶ時にチェックしたいのは「水平角度」です。

但し、水平角度が大きくなればなるほど左右端に行くほどグニャグニャしている映像になります。

ドライブレコーダーの水平角度は110度以上のものを選びましょう。

HDR・WDR

ドライブレコーダーの機能の1つにHDR・WDRがあります。

●HDR=ハイダナミックレンジ
●WDR=ワイドダイナミックレンジ

具体的なシチュエーションと起こる可能性のある現象は以下の3つです。

①トンネルの出口付近の撮影⇒白とび(白つぶれ)
②夜間の撮影⇒黒とび(黒つぶれ)
③逆光時の撮影⇒白とび及び黒とび

HDRとWDRにはどういう働きがあり、何が違うのでしょうか?

ドライブレコーダーにHDRおよびWDR機能があると、白とびや黒つぶれ、逆光を補正して、明度差のある場面でもくっきりとして映像を記録してくれます。

白とびや黒つぶれ補正はHDR、逆光補正はWDRという認識で間違いないかと思われます。

肝心な部分が白とびや黒とびをしていると、証拠にならないので、HDR(及びWDR)機能があるドライブレコーダーを選びましょう。

LED信号機対策

ドライブレコーダーで録画した映像を見ると、信号機の灯火が真っ暗だったり、点滅した状態ということがあります。

これは、実際にLED信号機の灯火が目に見えない速さで点滅を繰り返していることから起きる現象です。

点滅の回数は、電力の周波数(東日本が50Hz、西日本が60Hz)が関係しています。

点滅の回数は東日本が1秒間に100回、西日本が1秒間で120回です。

ドライブレコーダーには「フレームレート」といものがあります。
これは1秒間に何枚の静止画像を記録するかということです。

例えば、ドライブレコーダーの「フレームレート」が30fpsの場合、1秒間に30枚です。
西日本のLED信号機の点滅回数120回は、30fpsの倍数です。

従って、一度周期が重なると、信号機の灯火が真っ暗といった現象が起きます。

東日本の場合は、「フレームレート」が25fpsだと、同じ現象が起こります。

そこで、LED信号機対策として、29.1fpsや19.1fpsといったように一度周期が重なっても、その後は周期を重ならないよう、「フレームレート」を設定しているドライブレコーダーがあります。

出会いがしらの事故が起きた時は信号が青だったのか、赤だったのかは重要な項目なので、LED信号機対策をしたドライブレコーダーを選びましょう。

動温度範囲

ドライブレコーダーの口コミを見ると、「夏場に録画ができない」といったクレームも・・・。

これは、夏場の車内(特にフロントガラス付近)が高温になることによる不良だと思われます。

ドライブレコーダーの動温度範囲は最低でも-10度~60度のものを選びたいです。
※製品のHPに「動温度範囲」が記載されていないものもあります。

GPSセンサー

今やカーナビやスマホの地図アプリには欠かせないGPS(位置情報)ですが、ドライブレコーダーにもGPSが装着されている機種が多数あります。

ドライブレコーダーにGPSセンサーが付いていると、事故が起きた場合、どこ(位置)で起きたのかが分かります。

もしもの時を考えると、GPSセンサーはドライブレコーダーにとって必要な機能です。

但し、デメリットもあります。
それは電波の干渉です。

ノイズ対策

そもそも、ドライブレコーダーから電波(ノイズ)が発生しています。
ドライブレコーダーと同じくノイズを発している他の車載器(地デジ・カーナビ・レーダー探知機・ETC機器等)等とお互いに干渉します。

ここにGPSセンサーが加わります。

ノイズ対策済みのドライブレコーダーだと、ノイズを最小限に抑えてくれます。

Gセンサー

Gセンサーとは日本語では「加速度計」と呼ばれ、衝撃を感知する装置です。

ドライブレコーダーは映像をSDカードに上書きして保存していきます。
通常なら、車がぶつかった後も車を走らせると映像はどんどん上書きされてしまい、事故時の映像が消えてしまいます。

しかし、Gセンサーが内臓されているドライブレコーダーは、衝撃を感知すると、自動的に動画ファイルを保護し上書きを防止してくれます。

Gセンサーは大半のドライブレコーダーが内臓されていますが、そうでないドライブレコーダーもあります。

Gセンサーありのドライブレコーダーを選ぶのが無難です。

車内の音声録画

市販のドライブレコーダーの大半には音声録音機能が付いています。

飛行機の場合は、ボイスレコーダーというのがありますが、事故があった時にその直前に発した言葉には事故原因解明の糸口になることが多いです。

同じ理由で映像だけでなく、音声が残っているのと、事故の状況を再現するのに役立ちます。

但し、プライベートな内容も録音されてしまいます。
ドライブレコーダーの音声録音機能にはONOFFの操作ができるものもありますので、プライバシーが気になる方は、そういった機種を選ぶと良いでしょう。

常時録画

市販のドライブレコーダーは基本的に「常時録画」です。
これは、エンジンをかけると自動で録画が始まるというものです。

その他に手動・イベント(Gセンサー)機能付きのドライブレコーダーもあります。
※Gセンサーについては前述

明るさ

夜間は、建物の灯りがあっても、道路を通行する車まで照らすほどではないので、車の形や色は判別しずらいです。

特にナンバーは見にくいですが、テールランプやヘッドライトの明るさをカメラが拾うと余計見にくくなります。

夜間でも明るく撮影できるのかの判断基準がF値というものです。
高感度レンズ採用色再現性の優れた高感度の明るいレンズで暗い所での視認性が向上します。

F値は小さいほどレンズが明るいです。

通販の人気ランキングで上位のドライブレコーダーのF値は2.0前後もののが多いです。

F値の記載がないドライブレコーダーは、夜間は映像が鮮明でない確率が高いです。

駐車場監視機能

駐車場監視機能とは、駐車場での当て逃げ、盗難(車上荒らし)、いたずら防止の為の機能です。

駐車場監視機能があっても、配線等はオプションで別途購入しなければならい機種も多いです。

駐車場監視機能も希望する場合は、オプションなのか、何が必要なのかを確認しましょう。

但し、駐車場監視機能はエンジンが止まっている間に機能するものですので、バッテリーを食います。

どの程度、バッテリーを消費するのかを確認しましょう。
※駐車場監視機能付きドライブレコーダーのおすすめ商品は別記事参照

SDカード

ドライブレコーダーで撮影した映像はSDカードに録画します。
大半のドライブレコーダーにはSDカードが付属されていますが、中にはSDカードが付属されていないドライブレコーダーもあります。

必ずチェックしましょう。

それと、SDカードの容量も大事です。
容量が少ないとすぐ、一杯になってしまいます。

SDカードは基本的に上書きされますが、上書きされる回数には限りがあります。

車を長距離走らせることが多い方は、容量の多いSDカードの購入も検討されると良いでしょう。

再生方法

録画した映像の再生方法ですが、複数あります。
※機種によって異なります。

①モニターで再生
②PCのみで再生
③専用アプリで再生

一番簡単なのはモニター一体型のドライブレコーダーのモニターでその場で再生が出来るタイプです。

そして、面倒なのが専用アプリでしか再生できないドライブレコーダーです。

事故が起きた時に証拠として映像を警察に提出する時。専用アプリでしか再生できないと、中々面倒です。

ドライブレコーダー本体の大きさとも関係する問題ですが、何を重視するか決めて、ドライブレコーダーを選ぶ必要があります。

取付方法

ドライブレコーダー本体の取付及び電源の取り方によって、取付が自分が出来ない時はオートバックスやイエローハット、あるいはディーラーに取付をお願いすることになります。

その場合、費用(工賃)が掛かります。

ドライブレコーダー本体が安くても、取り付け費用が掛かると、簡単に取付が出来るドライブレコーダーよりトータルで高くなる場合があります。

まして、ドライブレコーダーの需要が多い時は、取付するのにも時間がかかります。

理想的には自分で簡単に取付ができるドライブレコーダーを選びたいものです。
※簡単に取付ができるドライブレコーダーについては別記事参照

安全運転支援機能

ドライブレコーダーの中には安全運転支援機能が付いている機種があります。

安全運転支援機能には以下のようなものがあります。

・前の車両が発進したことをお知らせする機能
・前方車両と接近し過ぎた時にお知らせする機能
・車線からはみ出した時にお知らせする機能
・速度を出し過ぎた時にお知らせする機能

但し、安全運転支援機能はあると便利ですが、どちらかというと、おまけ(差別化)の部類なので、ドライブレコーダーを選ぶ時のポイントにはなりにくいでしょう。

メーカー

ドライブレコーダーは国産メーカーの3社(コムテック・ユピテル・ケンウッド)でシェアを占めます。

残りの3割には1部国産メーカーもありますが、大半は中国産メーカーです。
中国産のドライブレコーダーは一般的に安いのが特徴です。

ドライブレコーダーのスペックやサポート体制を考えると、総じて国産メーカーの方が中国産メーカーより安心だと言えます。
※ドライブレコーダーのメーカー一覧は別記事参照

価格

1万円を切るドライブレコーダーの大半は中国製です。
※安いドライブレコーダーについては別記事参照

では、値段は高い方が性能が安心できるかというとそうとも限りません。
中国製のドライブレコーダーにも高い機種もあります。

また、元々値段が高くても、新機種が発売されると、値下げする事も多く、旧製品と新製品が入り乱れている状態です。

さらに、取付を依頼する場合、別に費用(工賃)がかかります。

ドライブレコーダーは選ぶ時は総合的に判断することが大切です。
※ドライブレコーダーの選び方については別記事参照